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―ここからはいち馬主というより、日本馬主協会連合会の一員としてのご意見を少し伺っていきます。

下河辺:よく誤解されますが、この日本馬主協会連合会は、全国10場の競馬場にある各「馬主会」の、その連合体なんです。

―日本馬主協会連合会のもとに直接、馬主さんが集まっているわけではない。

下河辺:そういうことです。例えば私は、札幌馬主協会に所属しています。馬主同士の懇親とか、会報を作って情報を共有したりとかは、みんなそこでやっています。

―ただ、競馬界全体の問題を提言していくなどは日本馬主協会連合会の役割になるんでしょうか。

その通りですね。

―馬主の形態では、最近は馬主資格を持つ方たちで共有する「オーナーズクラブ」なども盛んです。

下河辺:僕も自分の牧場でクラブを運営しているので言い方は難しいのですが、基本的に日本馬主協会連合会は個人馬主を大事にするスタンスを取っています。一方、世界の流れとしてそういうものが存在感を増していることもまた事実です。イギリスにはハイクレアという有名なシンジケート会社があって、ダービー馬のモティヴェーターとか、ハービンジャーなどを所有していました。アメリカにもフランスにもそういう組織はあります。ただし、日本とは周辺事情がかなり異なってはいるのですが。オーナー

―どんなふうに異なっているのでしょうか?

下河辺:イギリス・アイルランドなどは、ダーレーとかクールモア、カタールなど一部の大馬主が40%ものシェアを持っていたりします。それに対抗して良い馬を持つのは個人では難しく、シンジケートが有効です。そういう構図ですね。それに対して日本の場合は、個人でも良い馬を買うことが十分に可能ですから。

―クラブの役割も海外とは変わってきますね。

下河辺:特に新しい馬主さんにとっては、最初の入り口として有効だと思います。どこの厩舎に預ければいいのかとか、どんなふうにお金がかかるのかとか、そういうことをプロのやり方を間近で見て勉強して、人脈を作ることができます。そうやって、これならできると思ったら、一人で持てばいいわけですから。

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