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下河辺:今年はオリンピックイヤーで、リオデジャネイロ・オリンピックには先生も団長として行かれると聞いていますが、ここで私ども日本馬主協会連合会の活動について少し触れさせていただきたいのですが。

橋本:はい。

下河辺:私ども日本馬主協会連合会では社会貢献事業として、会員の馬主さんから拠出された資金をもとにスポーツ振興や国内災害の助成事業を行っています。特にスポーツ振興への助成は昭和51年から行っていまして、近年の実績としては日本体育協会に昨年今年と3000万円ずつ、日本オリンピック委員会には昨年2000万円、今年はオリンピックイヤーということで3000万円の拠出をする予定です。熊本の地震災害についても500万円を熊本県の方に拠出させていただきます。
 私どものこうした活動についても皆さんに知っていただきたくて、申し上げました。

橋本:いつもありがとうございます。

下河辺:本当はもっと助成したいのですが、私どもの身の丈にあったところでご容赦いただいています。

橋本:いえ、本当にありがたいです。
 オリンピック・パラリンピックは、常に注目される大会ではあるのですが、今回は、特に4年後が東京での開催になることで、注目度も相当高くなると思います。一方、このところ、スポーツ関係で不祥事が続いていることもあって、このリオをスポーツの信頼を回復する大会にしないといけないと思っています。
 私は、オリンピックを教育の場だと思っているんですね。勝負ですから、勝つ人もいれば負ける人もいますが、メダルは1種目に3つしかないので、ほとんどの人はメダリストにはなれないんですね。でも、みんながメダルを目指して、質の高い競技にすることで、観る人にとって魅力になる。質が高くないと、観る人にとって魅力のあるものにはならないので、日本選手団は高い人間力と競技力の総合力で、戦ってきたいと思っています。
 戦うときに、口から出す言葉も大事なのですが、それよりも、体で発信したいと考えているんです。体から出る言葉ですね。それは、本物でないと相手に伝わらないんです。負ける姿も教育ですし、勝つ姿も教育なのですが、それはしっかりと目標を持って、毎日努力してはじめて備わることなのです。それが、日本にいる子どもたちに伝わるようなオリンピックにするのが目標です。
 「メダルの数」とよく言われるのですが、メダルの数が多くても、人間力が備わっていなければ、教育にはつながっていかないと思うんです。橋本聖子さん

下河辺:マスコミは、すぐにメダルがいくつって言いますけど、メダルの数じゃないだろうと思います。大事なことは、そこまでの過程であるとか、いま先生がおっしゃった教育であるとかなので、メダルの数ばかり言われるのには違和感がありますね。

橋本:特に、昨年の10月には、スポーツ庁も設置されて、国のスポーツ予算もいままでより多くいただくわけですから、私たちには結果を出す責任があるんです。と同時に、長い時間をかけて、スポーツを教育にしたいということで、予算をいただいてもいるわけで、すぐに結果を出す予算もありますが、「20年後にどう活かされるか」という予算もあるんです。
 いまの選手たちが育って、次の世代に何をすることができるか、20年後に活きてくるようなオリンピックにしたいです。

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