インタビュー・コラム 戻る

―馬名はご自身でつけられているのですか?

里見:最初は全部そうしていました。英語の辞書を開いたりして、頑張っていましたよ(笑)。でも、だんだんと行き詰ってくるんです。思い入れの深い名前をつけるのも最初はいいんですが、あるとき牝馬に自分の娘の名前をつけたことがあって、その馬がぜんぜん走らなかったんです。こういうのもなんだか困ってしまいますしね。

―ああ、いかにも馬主さんにありそうな悩みですね。

里見:なので現在は、会社の社員から公募したりしています。社員は海外も合わせると15,000人くらいいますが、うちはゲームセンター用の競馬ゲーム(「スターホース」シリーズ)なども作っているくらいで、馬好きもたくさんいるんです。名づけ親になった社員は、その馬がデビューするときや大レースに出走するときに馬主席に招待したりしています。みんな喜んでくれますよ。サトノクラウンやサトノアリシアがそういう馬ですね。

―サトノダイヤモンドに関しては、奥様が名づけ親だとか。

里見:そうなんですよ。セリの前に下見に行ったときに、額の星が綺麗なひし形なのを見て「この子がもし買えたら名前はダイヤモンドね」って女房が言ったんです。そうしたら本当に買えたので、悩むことなく決まりました(笑)。

額にひし形の星があるサトノダイヤモンド

額にひし形の星があるサトノダイヤモンド

―セリで馬を購入するコツって何かあるんですか?

里見:月並みですが、自分の予算と合わせてピンとくる馬を買うということに尽きると思います。私にとっては池江泰郎(元調教師)さんの存在がすごく助けになっています。調教師を引退されたときにすぐに連絡して、アドバイザーになっていただいたんですよ。サトノノブレス(2010年生まれ)からお願いしています。この頃から、近い将来、GIも勝てるんじゃないかという感触が強くなりました。里見 治オーナー

―ご自分の持っている馬の下(弟や妹)は、みなさん買われますよね。

里見:つい買っちゃいますよね。私も去年はサトノラーゼンの下(トゥーピーの2014)を買いましたし。活躍した馬の下は、そりゃ欲しくなるんですが、当たり前ですけどみんな高くなるのが困りものです(笑)。

―ご自身は、いわゆる「馬を見る目」に自信は?

里見:あまりないです(笑)。でもごくたまに、なんだかわからないけどこの馬ちょっといいな、ということはあります。そういうときも池江先生に見てもらってご意見をいただきます。いいですね、と言っていただけることもあれば、あれこれ説明して止められることもあります。そんな中、サトノクラウンは私が自分で気に入って、先生にも良い馬ですねと言ってもらえた馬です。よく知らない血統でしたけど、なぜかピンときたんですね。

2015年弥生賞を制したサトノクラウン

2015年弥生賞を制したサトノクラウン

―そうやって良い馬を買っているのになかなかGIを勝てなくて、焦りなどはありましたか?

里見:正直、ありましたよ。自分より後から馬主になった知り合いがどんどん重賞やGIを勝つのを見ていると、やっぱり悔しかったです。自分は馬運がないのかなあ、なんて思ってしまったり。事業と違って、馬は自分がいくら努力してもうまくいくとは限らないものなんですね。

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