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下河辺 社会貢献・広報委員長 森 連合会長 後藤 理事長

後藤:あと、これは忘れてはいけないのですが、売上げと同様にここ数年、馬主の皆様の数が増えています。馬主の皆様というのはある意味、最高の競馬ファンで、競馬を支える非常に重要な存在です。私たちJRAも遅ればせながら昨年、「馬主担当課(競走部競走関連室内)」という馬主の皆様の活動を支援するセクションを設けました。

森:馬主の間でもたいへん好評です。あれはそもそも、どういった目的で新設されたのですか。

後藤:馬主数は、平成4年をピークに平成25年までは微減が続いていました。それで危機感を持ちまして、新規の開拓、活動促進に専任で取り組む部署を新設した次第です。具体的には、馬主登録のガイドブックを作成したり、雑誌に広告を掲出するなどしております。活動促進の面では、GI競走に愛馬を出走させた馬主の皆様を対象に昼食会を開催しており、これには森会長をはじめ各馬主協会の方々にもご協力をいただいています。たいへんありがたく思っています。

森:いえいえ、今年もよろしくお願いします(笑)。

後藤:また新規馬主の皆様を対象に競馬観戦会、トレーニング・センター見学会などを行ったり、逆に馬主活動50年以上の方を表彰し、競馬場来賓室へのご招待などもしております。今年の2月号からは機関誌の『優駿』を送らせていただくことにもしました。今後もさらにホスピタリティは高めていかなければと思っています。

森:ありがとうございます。現在は、中央と同時に地方競馬の馬主登録も取得したい場合は、JRAには書類を地方競馬側へ送っていただくなどの配慮もしていただいていて、これなどはたいへん助かっています。新規の方を増やすということでは、競馬は儲からないものだという印象がまだ強い気がしています。しかし、昔は5頭以上持たないと事業所得にならなかったものが、現在は1頭でも要件を満たせば認められて税制面で改善されるなど、実際にはさまざまなメリットがあります。こうした部分のアナウンスも必要ではないでしょうか。

後藤:昨年「早期特例登録制度」を導入し、一定の条件を満たせば競走馬の減価償却開始時期を早めることが可能となりましたしね。確かに、そういった部分は普通の生活をしていては知る機会がありませんから、周知が必要です。よく聞くのは、馬主になったのはいいけれど、ところで馬はどうやって買うんだ、誰に預けたらいいんだ、という話ですよね。馬を持っている方には当たり前のことが、一般的には情報がないですから。

森:ある意味で「金持ちの道楽」のように思われている馬主のイメージは、払拭していきたいところです。下河辺さんは当連合会の社会貢献・広報委員長をされておりますが、我々馬主の賞金の一部を、スポーツ振興や社会福祉、地域貢献に使っていただく活動などに尽力しています。自分たちだけが楽しんでいるのではなく、多くの人と喜びを分かち合いたいと考えていることを、我々もどんどんアピールしていきたいと考えています。

後藤:実態を一般の方々に理解していただく必要性は強く感じていますね。

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