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森:昨年、海外競馬の勝馬投票券が非常によく売れたことを見ますと、日本のファンにも海外へのチャレンジを楽しんでいただいている実感はあります。しかも、それによって国内競馬の売上げが下がったわけでもありません。海外競馬の勝馬投票券売上げも、その10%が国庫に入ることに変わりはなく、国内競馬振興にも貢献できているわけで。これはお願いの形ですが、なんとか遠征時の褒賞金の仕組みが復活出来ればと思っているわけです。

2016年凱旋門賞より海外レースの勝馬投票券発売が開始された

2016年凱旋門賞より海外レースの
勝馬投票券発売が開始された

後藤:じつは海外競馬の勝馬投票券発売に関しては、特に昨年は初年度でかなりのプロモーション経費をかけています。システム開発にも大きなコストはかかっていて、単純にここだけを見れば赤字なんです。それが許されたのはスケールメリット、つまりそれによって競馬全体が盛り上がり、国内競馬の売上げ増加も見込めるからです。そのあたりはご理解願いたいと考えております。

森:とてもよく理解できます。これに関しては、今後も状況の変化を見つつ、また検討をお願いしたいと思います。次に、本邦外居住者への馬主登録の許可について伺います。平成 21年より始まったこの制度で、これまでに確認された影響、問題点や、今後の見通しをお聞かせください。

後藤:本邦外居住者は、昨年12月1日の時点では14名、他に国内から本邦外に転出した馬主様が6名いらっしゃいます。所有状況では総計133頭、うち外国産馬は10頭で、全馬主の所有頭数に対する本邦外居住者の所有割合は約1.7%でした。制度の導入時にはさまざまな影響が懸念され、在厩頭数や外国産馬の所有頭数に制限を設けましたが、特に問題が生じなかったこともあって、数年で制限は撤廃しています。当面は現状通りで、推移を見守っていきたいところです。

森:当初は、外国の馬主さんに賞金を全部持っていかれてしまうのではという懸念もありましたが、そうはなりませんでしたね。現在の形での参加は、むしろ面白い競馬を実現するという意味では、理想的なスタイルなのではと思っています。森 連合会長

後藤:外国産馬が少ないということは、国内のサラブレッド市場に資本参加してもらっているという見方もできます。おっしゃったように、ここまではプラスに働いているといえます。

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