2017/07/31
小林 祥晃オーナー Interview
「競馬の神様が、ずっと競馬を楽しんできた僕にご褒美をくれたのかなと感じています。」
インタビューの5回目は、風水などを用いた開運術でお馴染みの「Dr.コパ」さんこと小林祥晃オーナーをお迎えしました。牧場との交流を楽しみ、随所に風水の考えを取り入れた独自の馬主生活スタイルについて、たっぷりお訊きしています。
―競馬は早くからお好きだったのでしょうか?
小林 祥晃オーナー(以下、コパとする):高校生の頃、シンザンとウメノチカラの一騎打ちをテレビで見たのが最初で、競馬はそこからずっと好きですね。大学卒業前に、就職しないで競馬評論家になりたいと父親に言ったら、他人の馬の予想をするより自分で馬主になった方がいいぞと言われました(笑)。馬主になって、風水を使ってどうすれば馬が走るようになるかを牧場に教えて、そこから馬を買えばいいんだ、と。父親は宮大工の棟梁で、風水を教えてくれたのも父親なんです。
―結局、馬主になられたのは54歳になる年でした。
コパ:これも父親に、お前は凝り性だから50歳までは仕事の方を頑張れ、と言われていたんです。実際、建築の仕事が忙しくて遊ぶ時間もありませんでしたが、でも競馬はずっと楽しんでいましたね。
―勝負服も風水で決められたとか。
コパ:黄色と赤は風水の基本なんですよ。じつは昔すごく好きだったテイタニヤやテンモンの勝負服(馬主・原八衛氏)と同じなんですが、当時からあの配色は素晴らしいと思っていたんです。テイタニヤもテンモンも牝馬なので、この勝負服にはまだ牡馬の運が残っているな、という考えもあって、まさにその通り、コパノリチャードとコパノリッキーが立て続けにGI勝ち馬になってくれました。
―馬主になってまず最初にどんなことを感じましたか?
コパ:席や駐車場の心配をしなくていいのが嬉しかったです(笑)。それまではゴール前で見ていましたが、昔はターフビジョンもなくて、どの馬が先頭か最後までわからないでしょう。東京競馬場では直線の坂を馬が上がってくると、まず騎手の帽子から見えてくるんです。だから柵の上に立って、少しでも早く先頭を確かめようとしていました。今は上のフロアで座って見られますからね、ありがたいです。
―ゴール前の柵に上って見ていたんですか!
コパ:そうなんですよ。あれは1970年のオークスだったかな、どうしてもレースが見たくて、勤めていた建設会社を仮病で休んで行ったんです。桜花賞馬のタマミと、トライアルを勝ったプリーズターフを狙っていて。いつものように柵に上って見ていたら、内馬場から撮られた写真にバッチリ写っていて、それがスポーツ新聞に大きく載っちゃいました(笑)。馬券は外れる(タマミ14着、プリーズターフ3着)わ、上司に怒られるわで、さんざんでしたよ。
―馬主になるまで、ずっとそんな感じですか?
コパ:そうです。46、47歳の頃も、僕が競馬場に行く日は高校生の長男が友達といっしょに朝早くから行って、ゴール前にゴザを敷いて場所を確保してくれていました。
―馬主になるとその苦労はなくなりますよね。
コパ:でも馬主になって、愛馬が出走除外になることが多くて、それが悩みのタネ。馬主は愛馬を走らせたいですからね。今、馬主協会連合会の役員として、JRAに除外馬対策をしてほしいと馬主サイドとして地方交流競走を増やすようアイディアをどんどん出しているところです。