―コパさんは地方競馬でもラブミーチャンを筆頭に、たくさん馬を持たれています。
コパ:ラブミーチャンとの出会いは、馬主としての自分を変えてくれました。僕は現役時代のサウスヴィグラスが好きだったんですが、日高のサマーセールでラブミーチャンを見たとき、まるでサウスヴィグラスがそこにいるように見えたんです。そういう馬が走ってくれたことは、すごく自信になりました。
―血統はお詳しいんですか?
コパ:詳しくはないんですが、ラブミーチャンがきっかけで、自分の中に「父親に似ている馬は走る」という基準ができたんです。それからは輸入種牡馬より現役時代を自分で見ている父親の仔を選ぶようになりました。じつはその後も僕のサウスヴィグラス産駒はよく走ってくれるんですよ(キモンレッド、ラブミークンなど)。今ではセリでサウスヴィグラスの仔に僕が手を上げると、コパはサウスヴィグラスの走る馬が分かってると思われているみたいで、周りも上げてくるようになった気がします(笑)。
―調教師さんとはどんな付き合い方をされていますか?
コパ:僕は調教師さんのことを「先生」とは呼ばないようにしているんです。向こうにも「オーナー」はやめてもらって「コパさん」でいいです、お互い「さん」付けでいきましょうと伝えています。親しくなると、下の名前で呼ぶ人もいます。鈴木伸尋調教師は「ノブさん」。田所秀孝調教師は「ヒデさん」。村山明調教師は「アキラ」です(笑)。でもそういう付き合い方をしていると、へんな隠し事がなくなっていいと思うんです。馬が怪我したらすぐ「怪我しました」と言ってもらえる関係です。
―騎手ではコパノアラジンで2連勝するなど、藤田菜七子騎手をよく起用されています。
コパ:彼女は騎乗フォームがすごく綺麗で、良い馬に乗せてあげれば、もっと勝てるようになると思って応援しているんです。あとはやっぱり、あの子が勝ち負けしたらファンも喜ぶでしょう。そういうことはいつも意識して、考えています。例えば自分の馬が地方競馬で走るとき、武豊さんが乗ったらやっぱりファンは喜ぶし、お客さんも入るでしょう?それなら、なるべくそうしようと僕は思っているんです。
―馬主としては、コパさんは「メイショウ」の松本好雄オーナーを尊敬されているとか。
コパ:松本さんのことは、自分が馬主になるずっと前から尊敬して見ていました。初めてお会いしたのは北海道の牧場だったんですが、すぐに、やっぱり自分の見る目は間違っていなかったと確信しました。そのくらい素晴らしい人格者ですよ。僕にとっては、あの方が馬主のあるべき姿、理想形といえるかもしれません。まあ、あんなすごい頭数は僕にはとても持てませんけど(笑)。